空欄
カポディモンテ美術館
 

魚料理とピザがおいしいポルタルバを出て、ダンテ広場のバス停で国立カポディモンテ美術館(Museo di Capodimonte)へ行くバス(R4番)に乗り込み、窓の外に目をやっていると、変な気配を感じその方へ視線を移すと、スリとおぼしき小さな男が乗客のお尻のあたりをさぐっている真っ最中。それに気づいた観光客が大声を出して怒鳴ったところ、スリはコソコソとバスを降りていった。ナポリではこんな光景は日常茶飯事。
ところで何処で降りていいかわからなかったのですが、バスの乗客がそれとなくおしえてくれ、目的地にたどり着くことができました。カポディモンテ美術館は当時の王宮をそのまま使っているだけあって大きく、庭園も広大でのんびりした印象を受けましたが、どことなくガランとした雰囲気が館内を覆っています。2時以降の入場はたいした金額ではないのですが、割引になるそうです。


特別展 特別展
特別展 特別展
特別展


カポディモンテ美術館では、常設展の他にインテサ・サンパオロ銀行(Intesa・Sanpaolo)が推進する国家遺産や芸術品の修復プログラムが開催されていて、エレベーターに乗り込み地下に進み、展示品を見ました。確かにかなり旧い年代の彫刻、絵画、装飾品などが展示されており、その重厚さに圧倒されます。特にイエスキリストにまつわる作品が多かったように記憶しています。

 
貴婦人の肖像 ホロフェルネスを殺すユディット

修復プログラムを見終わって、常設展示場へ入館したのですが、案内する人がどことなくいい加減でしまりがないのはお国柄なのでしょうか。
左側の日本にもお目見えしているパルミジャニーノ(Francesco Mazzola)の「貴婦人の肖像(Antea)」はやはり見事で、その重厚感には圧倒されます(よくパンフレット等で見る印象とは格段に違った重さを感じます)。女性を貴婦人と呼んでいますが、どうみても20才前後のような印象をうけ、ヘアーをショートカットにしてメイクアップすれば今の時代でも女優としてやっていけるだけの美貌を備えています。
右側の絵はかの有名な女流画家アルテミジア(Artemisia)の「ホロフェルネスを殺すユディット」ですが、上が首を切るところで、下が首を始末している様子です。カラヴァッジョの影響を受けているとはいえ、すざまじい執念で描ききり、その表現の残忍さはカラヴァッジョをしのぐかも知れません。また、ユディットの顔がクールなのが印象的でした。

ホロフェルネスを殺すユディット
 
カラヴァッジョの鞭刑
カラヴァッジョの鞭刑

目的のカラヴァッジョの「キリストの鞭刑」です。すごい。このような宗教画をこんなに荒々しく激しく描くのは彼のもつ個性なのでしょうか。まったく言葉がみつかりません。ただ救いはキリストの表情が苦痛にゆがんでいないことです。


美術館の内部と銅像
 
マリア・ルイサ マリア・ルイサ

ゴヤが描いた「マリア・ルイサ」は堂々として威圧感を受けますが、この絵を見られて、来たかいがあったという思いです。左上はフランスの女流画家ビジェ・レブランが描いた「マリア・ルイサ」ですが、マリア・ルイサの若い頃はこんなキレイな感じだったのですかね。それとも違うマリア・ルイサ? 下はビジェが描いた「マリア・テレサ」の絵だそうです。

マリア・テレサ
   
館内 ブリューゲルの絵と下はベッリーニの絵

ブリューゲルの「盲者の寓話」とベッリーニの「キリストの変容」が観られました。

展示されている絵 展示されている絵
 
館内
展示されている絵
ナポレオン 展示されている絵
館内
展示されている絵
展示されている絵

上階には現代画や彫刻も展示されています。館内は天井が高く広々としているので、見て回るにはうってつけの美術館です。

プルチネッラサンカルロ劇場ボルゲーゼ美術館ポルタルバ|カポディモンテ美術館

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